Cyrodiilに帰ってきて
昨年11月にSkyrimが発売され、しばらくその寒冷な地域に滞在したのだが、ややもって「くつろげないな」と感じた。SkyrimはVanillaの状態からもってして、Oblivionにおける様々な至らぬ点を修正しており、グラフィックもENB込みでとても素晴らしいものだと感じられた。しかしそのユーザインターフェースを含め、洗練はされているがなにか落ち着かないなと感じた。そこにきてOblivionだ。今年の2月にSteamにおいてGotY Edition Deluxe版を購入して積んでいたのだが、先月、思うところがあり、環境を構築してみることにした。OblivionはVanillaの状態ではとても満足はできない。当然さまざまなModを入れる。それなりの時間、プレイを行い、Oblivionに感じたのは、「雰囲気があるな」ということだった。それは野暮ったさにも通じるのかもしれない。だがユーザインターフェースを含め、その一連の所作はファンタジー世界と調和したものに感じられた。
マシンを一新した、さあ、Oblivionのプレイ感は
最後にOblivionを遊んだときから大きく変わったのはマシンのスペックだ。OSはWindows XP 32bitからWindows 7 64bitへと乗り換え、マザーはP45からZ77へと変わった。グラフィックカードはVRAMをたらふく備えたものだ。Oblivionではいかんなくその力を発揮できるわけではないといえどCPUの性能も向上した。スペック全体の向上から得られる恩恵はやはり大きかった。Qarl’s Textures Pack 3の「無印」を何の躊躇いもなく突っ込み、OBGEv3のシェーダーを適用。まだDistant LODに関するModやULやBBCといったlandscape changesに分類されるModは殆ど入れてないのだけど、4GBパッチとOSR 4.1.24 RCの組み合わせで、カクつきやCTDとは無縁のプレイをできている。
BAINをおそるおそる使い始めて
次にOblivionの環境を構築する際には、ModのインストールにはBAINを使ってみようと何となく考えていた。周りのOblivion(やSkyrim)のプレイヤーの多くがBAINを使っていることや、規模の大きいModであればあるほど、BAINフレンドリーなパッケージで(も)提供されている現状から、そう考えた。しかし実際に僕の背中を押したのは、Playing GodというblogのちょっとBAINについて語らせてくださいという記事だったと思う。その記事ではblogのauthorがBAINで環境を構築した際に感じたことが肉声で語られており、気持ちが一気に傾いた。この記事を読んだ日を境に、僕はomod資産をどうBAIN環境下に引き継ごうか、ということを考え始めた。
omod資産、どう引き継いだ?
Oblivionのプレイを続け、OBMMでModのインストール・アンインストールを行ってきて、Modのバックアップはomodファイルをバックアップすることで行ってきた。今回OBMMからBAINに乗り換えるにあたって、「できればModをダウンロードし直したくはないな」と感じ、ネットでいろいろと調べた。まずシンプルな構成のModに関しては、OBMMのインターフェース上から「convert to archive」を実行することにより、omodファイルを.7zファイルに変換して、そのままスコンとBAINに突っ込めることが分かった。そしてそれを実行した。OBMMを使用したインストールを想定されているModに関してはl2tsubaki氏制作のBAIN Wizard Converterが助けになった。このツールを使えば、OBMM向けに書かれたインストールスクリプトをもとに、ModのパッケージをBAINフレンドリーなそれへと変換してくれる。また、僕自身はそれを必要とする場面には出会ってないのだが、メジャーなModに関してはBCF(BAIN Conversion File)が提供されている場合もあるようだ。
BAIN Wizard Converterを用いても、上手くいかなかった場合。導入しようとしたModの中では”MBP 2ch-ED”と”HGEC Body with BBB v1dot12″しか該当しなかったのだけど、前者に関してはインストールスクリプトと云々睨めっこして、自分の導入したいと思うオプションを決め打ちしたシンプルパッケージを自前で作った。後者に関しては導入自体を諦めた。正確には導入を諦めたというよりも、HGEC Body、BBBをそれぞれ単独で導入することにしたというだけなのだけど。
BAIN、肝心の安定性は?
今回の環境構築にあたって、Wrye Bashのv301を導入した。ネットの文献を見たらどのバージョンを入れたものかと途方に暮れかけたが、「儘よ!」とばかりに、2012年11月初めの時点で最新版たるv301を入れた。Installer形式のそれをダウンロードしStandalone版を導入した。確か、Standalone版ならWindowsのコントロールパネル、プログラムの追加と削除から、同プログラムを削除できるということに惹かれてそれを選んだ。
今の時点では、Wrye Bashはとても安定してくれている。Bashed Patchのビルドでエラーを吐くことは一度もないし、PackageのInstall/Uninstall/Annealの動作でも同様だ。ただ、この安定っぷりは「Lock Load Order」を無効にする※1ことで得られた。それを無効にするまでは、PackageのUninstallやAnnealを行う際に、毎回のように「.espファイルが見つからない」と言った内容のerrorが生じ、ひどいときには全ての.espファイルのチェックが外れた。もちろんこの事象は環境やバージョンに依存するものだろうけど。
BAIN、その機能に関しては「嗚呼とても理に適っているな」と感じる。向かって右に表示される項目、MissingやMatchedと言った項目は最初こそ何を指しているのだろうと思ったものだが、いまではなるほどと思うし、インストール優先度にもとづき表示されるConflictsの情報はテクスチャ・リプレイサーModだったり、UI Modだったりのインストール・アンインストールの際に役立つだろうなと感じる。それらの感想は、Oblivionを良くも悪くも長いこと遊んできた身だから言えることであり、まだプレイを始めて日の浅いプレイヤーにとっては「なんじゃこれは」と思うのではないかな、とも感じる。
- ※1 Modsタブの画面で”File”や”▼”といった項目のあるバーの上で右クリックした際のコンテクストメニューからオン・オフの切り替えが行える。
Modの海へ
Oblivionを扱うblogを長いこと続けてきながら、肝心のプレイ時間は少ない。Vanillaのクエストでさえもとても制覇したとは言えない現状であり、多く存在するクエストModの類も9割は未プレイだ。そして多くの人が堪能したであろう、いわゆる大型Modに関しても、まともにプレイしたものはMMMだけだ。
そういった現状を踏まえ今回、Modの軸として選んだのは、Waalx Animals & Creatures v1.0 Beta(以下、適宜WACと表記)とCoblだ。この組み合わせならVanillaのクエストの多くをVanillaに近い形で遊べるかな、と思ったからだ。
軸として選んだというだけで、WACそれにCobl以外にも多くのModを入れる。過去に作成したomodファイルの資産を活かすといえど、アップデートの有無は気になるので、その動向を見に行く。その行程の途中でとても驚いたのが、更新が途絶えたと思っていたUnofficial Oblivion Patchのv3.4.1がリリースされていたことと、Robert Male Body ReplacerのVersion 5.2が総決算ともいえる形でリリースされていたことだ。
Oblivionの動向を1年以上追っていなかったとはいえ、これらの動きにはびっくりした。それ以外にも、OBSEのVersion 0021 betaの存在などにも驚かされた。
WAC! WAC! WAC!
さて、Waalx Animals & Creatures v1.0 Beta。Oblivionのblogをやっている人間としては、その導入は誰よりも遅かったのではないかと自負できるのだけど、多くの人がそれについて「面白いよ!」と言っている理由がわかった気がする。とある人が「その世界観が素晴らしいですよ」と言っていたのだけど、まさしくその通りで、決して大きく逸脱することなく、ゲームに対して独自の味付けを施しているように感じられた。
また、新たにWACを導入しようとする僕のような者にとって助かったのは、有志により調整やバグフィックスが為されていたことだ。それらの存在により、さらにスムーズな、さらに欲張ったプレイが可能になる。「WAC – ItemLootFix4v1.0b」をはじめとした、有志による種々のWAC関連ファイルは、Oblivion Wiki JP 避難所のページで一覧にまとめられている。
今回の環境構築に際してキュンときたMod
Realistic Water
OBGEv3は入れたものの、OBGE: Liquid Waterに関しては尻込みして、さあ、どの水質改善Modを入れるかな、と吟味した結果入れたのがこの「Realistic Water」。導入時点ではVersionは3.0。とても「綺麗な」水質を実現してくれるなと感じた。
Cloth Map
landscape changesに分類されるModをどんどん導入していくのなら、「Elven Map Compilation」が提供している2^8=256通りのMapだったり、「Dynamic Map」だったりが鉄板だと思う。だけど、地形変更Modをまだ入れてない段階なら、なかなか面白い選択肢のようにも思えるのが、この「Cloth Map」。そのローテク感に、ある種のぬくもりを感じた。ちなみにVanillaのMapに比べ、小道も多く書き込まれている。
FaegansDarkHUD
初版が2007年。アップデートは為されていないし、Spell Effectのゲージは表示されなかったりする。そういった種々の理由から、万人に胸を張って勧めることのできるModというわけではない。だけど、個人的にはとてもキュンときたのが、この「FaegansDarkHUD」。hud_info_menu.xmlとhud_main_menu.xmlと、独自のUI部品(テクスチャファイル)で構成されている。MajorJimsUIに継ぎ足す形で導入したのだけど、なかなか風合いが好み。ユーザにより異なるであろう画面解像度が考慮されていない?模様なので、導入に際してhud_main_menu.xmlのなかの記述を幾つか変更する※2必要があった。
- ※2 具体的には91行目、582行目、801行目の<x>~</x>の部分の数値にそれぞれ140足した。僕のモニタの解像度は1680×1050。
OBGEv3のエフェクトすごいですね!Parallax Occlusion Mappingでしょうか?
布製のMAPや円形のゲージやコンパスも新鮮な感じで楽しそうです。
話は少し外れますが、WAC.espを使用していると
大型のクエストMODやULなどの地形変更MODと一部衝突が起きるので、
環境によっては地形が裂けてしまうかもしれません。
(WAC.espはesmデータ読み込むと同時に、緑の小人やホワイトライオンなど
特定のクリーチャー、山賊砦やゴア表現な名所を多く追加する為)
もし競合で地形の裂け目が気になるようでしたら
中身が空のWAC.espファイルに交換すれば良いと思います。
参考まで(・д・)>
ではでは。
anohosikaraさん、こんにちは。
先のSSを撮った際はParallax Occlusion Mappingは入れてなかったです。
Parallax Occlusion Mappingについてあまり知らなかったので
画像を検索してみたのですが、立体感がすごいですね。
自分が適用しているOBGEv3のシェーダーの中で
先のSSの表現に寄与したのは
「HLSLbleachbypass」だと思います。
コントラスト効果を得て、結果陰影が強調されたのかなと。
それとグラフィックカード(NVIDIA)の設定で
Ambient Occlusionを有効にしているので、それかな…(=゚ω゚)
ともあれ何かが功を奏して、QTP3が元来持っていたゴツゴツ感が出たのだと思います!
導入こそすれど、効果を吟味することがあまりない(性分な)ので
正直あやふやです!
>もし競合で地形の裂け目が気になるようでしたら
>中身が空のWAC.espファイルに交換すれば良いと思います。
成程、そのような対処方法があるのですね。
UL等のModを将来導入して、つまずいた時のために覚えておきます!
そういえば、主に砦の内部でfps数がガクッと落ち込む現象に見舞われていて。
torchを持った時に頻繁に。うーん、なんだろうと思っていたのですが
コメントの返事をした際に、「そういえば」と思い
グラフィックカード(NVIDA)側のAmbient Occlusionをオフにしてプレイしてみたら
その現象は止みました。
他の処理とぶつかってるのか、元々しんどい処理なのか…
顕著な落ち込みが見られたんで、気になりました(・_・)