プレイヤーとゲーム世界の係わり合い
Immersion、それは「没入」などと訳される。オブリにはImmersionに分類されるModがいくつも存在する。ざっくり言えば世界の見た目や感じをよりリアリスティックにするModだ。
NexusにおいてはImmersionに分類されるModは多種多様なのだけど、文字通りプレイヤーがゲームに没入できるようにゲームに対して改変を施したものがリストされる。
別の言い方をすれば、プレイヤーとゲーム世界のあいだのインタラクション(相互作用)をより充実させるModとも言える。
インタラクションをより充実させるとはどういうことか。フェイクの光源を排して夜の暗さを実現する、商人の経済活動をより自然なものにする、食欲や眠気を実装して怠った場合にステータスへのペナルティを課す。
Immersionに分類されるModはプレイヤーとゲーム世界の係わり合いを深くしてくれる。「それらしさ」をゲームに一振りすることで*1プレイヤーをゲーム世界に居つかせる。
さて、Immersion Modのなかには、プレイヤーにいくらかの「めんどうくささ」をもたらすものも存在する。食欲や眠気を実装するModなどはその典型だろう。この種のModに関していえばプレイヤーは新たなタスクを自らに課すことになる。なぜ、一見めんどうくさいModを導入するのか。
それは繰り返しになるが、プレイヤーはゲーム世界との係わり合いに喜びを感じるからだろう。そのために多少のめんどうくささを受け容れるのだ。ある種のプレイヤーは、こまごまとしたこと、世話をやくこと、箱庭ゲーム的なゲーム世界へのアプローチが大好物なのかもしれない。
- *1 一振りどころかとても手間を加えたModが揃っています、はい。
俺の馬はどこへ行った、とっつぁん!
しかし、それは適度にだ。「Dude Wheres My Horse」というModがある。オブリでは馬を入手して乗り物として利用できるのだけど、元来臆病な馬は目を離しているすきに、遠くへ駆けて行ってしまうことがままある。同Modでは馬の場所を特定してくれる。
当てもなく愛馬を探すことはリアリティと呼べるのかもしれない。けれど、僕は当てもなく馬を探したくはない。プレイヤーはゲームにそれらしさを求めると同時に「労力に対する見返り」を念頭に置く。いわゆるコスパだ。けっしてプレイヤーは馬を探すためにゲームをしているわけではない。こういったケースでこそ、Modが力を発揮する。
評価の物差し
さらにプレイヤーが払う労力とそれらしさの関係について触れる。巷にはFast travelを使用不可にするModが存在する。Fast travelを使えないと、ゲームのありようは大きく変わる。Anvilに来た、近場の用事はできるだけ済ませてから都には戻るぞ。そういった優先が生じてくる。
ここで払う労力はプレイヤーが自ら選択したものだ。それを妥当と感じるか否かは、個々が決めることであり絶対的な解は存在しない。
ボトルドオブリ第3回につづきます